このブログは、生活保護の申請や受給が自分でできるよう、わかりやすく解説したものです。
 まず今回は、生活保護申請の全体の流れを見ておきましょう。


目次

・生活保護とは
・保護申請の窓口はどこか
・生活保護を受けるための条件
・支給される生活保護費
・保護の種類と内容
・生活保護の手続の流れ
・生活保護申請に必要な書類


● 生活保護とは

 生活保護とは、病気やケガ、働く所がないなどの理由で働けないとき、または働けても収入が不十分で、生活に困っているときに利用できる制度です。


 生活保護を受けられるのは、現在の収入と最低生活費を比較して、収入が最低生活費より少ない場合に受けることができるのです。

 日本国憲法は、国民は誰でも 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を持っていると定めています(憲法第25条)。

 この憲法の下で定められた「生活保護法」という法律では、生活保護を受ける権利を国民の権利として認め、しかもその内容として、生活に困窮する国民に対して最低限度の生活を保障するというほか、より積極的にそれらの人々の自立を助長することをめざす、とされています。
 
 また、この生活保護を受ける権利は、誰でも差別されることなく(無差別に)、しかも平等に受けることができる権利です。したがって、性別や社会的身分に関係なく、また、生活困窮に陥った原因を問いません(たとえば、生活維持の努力を怠ったりして困窮に陥った者でも)、誰でも受給条件を満たせば生活保護が受けられるのです。


● 保護申請の窓口はどこか

 生活保護の相談・申請窓口は、現在の住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が設置し、町村部では都道府県が設置しています。 
福祉事務所を設置していない町村に住んでいる人は、町村役場でも申請の手続を行うことができます。


● 生活保護を受けるための条件(要件)

 生活保護は世帯単位で行われ、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活を維持するために活用することが条件です。また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先して行われるべきものとされます。

 そこで、生活保護を受けるための具体的な条件をあげると、次のようになります。

1.月々の世帯の収入が「最低生活費」より少ないこと
 ここに言う「最低生活費」とは、厚生労働省が毎年算定する生活費のことで、家族構成・居住地域・障害の有無、その他の事情を考慮して算定されます。保護を受けるためには、現在の収入が最低生活費を下回ることが必要なのです 。

2.預貯金、車、生活に利用されていない土地・建物などがあれば売却等して生活費に充てること
 ただし、例外があります(別の記事でくわしく書きます)

3.病気やケガ、高齢、働く場所がないなどの理由で働けないこと、または働けても収入が最低生活費より少ないこと

4.雇用保険や年金などの公的制度が利用できないこと、または利用できても最低生活費より少ないこと

5.扶養義務者(親や子、兄弟姉妹など)の扶養を受けられないこと、または受けても生活に困ること

 以上が、生活保護を受けるための主な条件になります。


● 支給される生活保護費

 上に述べたように、厚生労働大臣が定める基準による最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が生活保護費として支給されます。
収入には、勤労収入、年金収入、親族からの援助などが含まれます。

最低生活費・図


● 保護の種類と内容

 生活保護が始まると、大きく分けて次の8種類の扶助が受けられます。

生活扶助 教育扶助 住宅扶助 医療扶助 介護扶助 ⑥出産扶助 生業扶助 葬祭扶助
8種類です。

 

 最低限度の生活を営むためには、食費だけでなく、いろいろな費用が必要となるので、扶助もこれらに応じて区分されているのです。



● 保護の手続の流れ

1、生活保護の相談や申請は、居住地のある地域の福祉事務所の生活保護担当が窓口になります。そこでは、生活保護制度の説明や各種社会保障などの利用についての説明もなされます。

2、保護についての調査
 生活保護を申請した場合には、保護するかどうかなどの決定をするために、生活状況などを把握する次のような調査が行われます。

・生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問など)
・預貯金・保険・不動産等の資産調査
・扶養義務者による扶養(仕送りなどの援助)ができるかどうかの調査
・年金や就労収入などの調査、
・就労の可能性の調査
などの調査です。

3、保護費の支給
 すでに見たように、保護費の支給としては、「最低生活費」から「収入」(年金や就労収入、仕送りなど)を引いた額が、保護費として毎月支給されることになります。

 なお、本人は、生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申告しなければなりません。
また、生活保護の受給中は、福祉事務所のケースワーカーが世帯の実態に応じて、年、数回程度の訪問調査を行います。
就労の可能性のある人に対しては、就労に向けた助言や指導が行われます。 


● 生活保護申請に必要な書類

 生活保護の申請にあたっては、必要な書類は特にありません。ただし、生活保護の申請をした後の調査において、世帯の収入・資産等の状況がわかる資料(通帳の写しや給与明細等)の提出を求められることがあります。


 以上、生活保護について、おおまかな全体の流れを見てきました。
次回からは、生活保護の条件保護費の金額申請の仕方、収入の認定などをくわしく解説していく予定です。



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